この記事は、こんな悩みを持った方に答える内容になっています。
✅本記事の信頼性
SI(エスアイ)とは、システムインテグレーター(System Integrator)の略称で、政府・民間、金融や医療分野におけるITシステムの設計・開発・導入などを手掛ける企業のことです。SI企業は、昨今のIT化やDX推進のトレンドもあり、重要の高まりから将来性がある業界と言われています。
SI業界の中でも、企業毎に事業特色があり、ユーザー系と呼ばれる金融系の情報システムから派生した野村総合研究所やNTTデータは、他社のシステム開発を行っています。また、メーカー系と呼ばれるハードウェア製造に強みをもつ、富士通やNEC、日立製作所や、外資系と呼ばれる日本オラクル、ヒューレットパッカードなど様々であります。
この記事では、SI業界で売上高上位5社に位置付けている富士通、NEC、NTTデータ、日立製作所、野村総合研究所の業績やワークライフバランスを分析し、独自のランキングを公開していきます。
富士通株式会社
SI業界で売上首位を誇る富士通株式会社、政府との共同研究によって開発したスーパーコンピュータ「富岳」など世界に誇るサーバ製品を提供する日本屈指の企業で、IT化やDX推進に大きく貢献する企業です。
企業理念として、富士通グループのパーパス(目的)である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を掲げ、その為に必要な貢献分野として「地球環境問題の解決」、「デジタル社会の発展」、「人々のウェルビーイングの向上」を明言しています。
昨今では、全面テレワークや服装自由化など従業員の働きやすさにも積極的にアクションを起こすなど、社会貢献とQOL向上にも積極的な姿が伺えます。
事業部門別の売上は、ビジネスやテクノロジーコンサルティングを行うテクノロジーソリューション部門が31,765憶円となっており、社会課題やサステナビリティ・トランスフォーメーションの実現に大きく貢献しています。
また、PC販売などのユビキタスソリューションが20,510憶円で部門第2位の売上、その次に電子部品(半導体や電池等)の製品販売が3,826憶円で部門3位となっています。
日本電気株式会社
日本電気株式会社(通称NEC)は1899年設立と歴史は古く、その名前とは裏腹に日本の最初の外資系企業として設立されました。
設立当初は通信機器などによって事業展開を始め、現在ではパソコンやタブレットなどの電子機器やソフトウェア、宇宙や環境分野におけるソリューション提供などのサービスを展開しています。
事業部門毎の売上は、平均的な数字となっているが、社会基盤事業が6,496憶円で部門1位となっています。また、部門3位となっているグローバル事業では、強みとなっている生体認証技術が、顔認証・虹彩認証・指紋認証で世界一位の評価を受けるなど、国内外で広く存在感を発揮しています。
株式会社NTTデータ
NTTデータは、NTTデータグループを持株会社に持つ国内事業会社です。その他、海外事業会社がありNTT DATA,Inc.、グループ全体での国内における新しい未来を構想するコンサルティングや先進技術獲得によるグローバルな事業展開を行っています。
部門別売上高は、NTT DATA,Inc.の連結拡大や為替の影響によって、海外セグメントが18,804憶円と圧倒的1位となっています。海外でのコンサルティングやデジタル領域の営業拡充や企業買収を行うなど、積極的に海外市場のシェア獲得を目指しています。また、大手金融機関向けサービスの規模拡大によって、金融セグメントが6,622憶円と2位につけています。
日立製作所株式会社
日立製作所は、最新のIT×OT×プロダクトを組み合わせて社会課題を解決する「社会イノベーション事業」を通じて、データとテクノロジーで持続可能な社会の実現と人々の幸せの両立を目指す日本最大級の企業です。
直近では、日立グループ会社を売却しながら、主力サービスとなる「LUMADA」によってデータに基づく顧客成長支援を行っています。
気になる事業部門別売上では、ビルシステムや家電などの販売部隊にあたるコネクティブインダストリーズが27,528憶円で1位、ビッグデータ×AIやクラウドサービスなどを行うデジタルシステム&サービスが21,536憶円で2位となっています。
株式会社野村総合研究所
野村総合研究所は、シンクタンクのイメージが強くありますが、コンサルティングのほか、IT基盤サービスや金融・産業ソリューションなどの事業も展開しており、SI企業としての一面も持っています。元々は、野村證券から分離独立して設立されました。
事業部門別の売上では、証券業や保険業、銀行業などの金融業界に所属する顧客に向けたシステムコンサル・開発及び運用サービスを行う金融ITソリューション部門が3,083憶円で1位となっており、元野村証券らしさが伺えます。また、2位の産業ITソリューションでは、流通、製造、サービス業や公共向けのシステムコンサルティングや開発サービスの提供によって、2,299憶円の売上を上げています。
SI業界 企業ランキング選考方法
企業ランキングは、以下の9つの項目に分けて実施します。
①売上:企業のビジネス規模を示す指標として採用
②経常利益:ビジネスの健全性を示す指標として採用
③利益率:経常利益÷売上で算出し、効率的に利益を生み出すビジネスモデルの評価指標として採用
④平均年収:収入レベルの指標として採用
⑤平均年齢:企業の人材伸びしろの指標として採用
⑥残業平均:ワークライフバランスの指標として採用
⑦有休消化率:ワークライフバランスの指標として採用
⑧えるぼし取得:厚労省が定める女性の活躍しやすい環境を示す資格
⑨くるみん取得:厚労省が定める「子育てサポート企業」を示す資格
これらの項目について、各企業のHP情報や財務諸表、転職サイトの口コミから情報収集し、ランキングにまとめます。なお、今回の転職サイトは、以下の2つのサイトを活用します。
転職会議:【転職会議】企業の口コミ・評判・求人が豊富な転職サイト (jobtalk.jp)
OpenMoney:OpenMoney | お金をもっとオープンに
企業ランキング
企業情報収集によるランキング結果は、以下の通りになりました。
企業ランキング1位:富士通
総合評価32点で、富士通が企業ランキング1位になりました。
売上と営業利益、平均年収などが上位で、ビジネスモデルの強さと従業員への還元が伺えます。また、有給消化や働きやすさを示すえるぼし、くるみんも最上位クラスとすべての水準で高い点数をとなりました。
企業ランキング2位:NTTデータ
2位は総合評価28点で、NTTデータとなりました。
NTTデータも全ての項目に対して、平均以上の点数となっている中で、1位の有給消化率は驚異の80%となっています。
先日行われたサッカーW杯カタール大会で、現地で観戦中のNTT東日本社員が掲げたポスター(「Dear My BOSS Thank you For MY 2 WEEK OFF!(親愛なるボスへ 2週間の休暇をありがとう!)」と、休暇を与えた上司への感謝のシーンが中継された)が話題になったことからもNTT全体での働きやすさが伺えます。
企業ランキング3位:日立製作所、野村総合研究所
3位は総合評価25点で、なんと日立製作所と野村総合研究所が同率でランクインしました。
売上と営業利益、平均年収と平均年齢がトップとワーストの順位になっているが非常に興味深いです。その中でも、野村総合研究所は、利益率が非常に高いなかで、平均年収が高く、年齢が若いので若くから高い年収を求める方には向いているかもしれません。
しかし、残業時間や有休消化率はワーストの順位である為、他のSI企業に比べて仕事がハードである可能性があります。
まとめ SI企業はこれからも求められる
本記事では、SI業界を代表する大手企業について紹介しました。
その他、【業界解剖】シリーズでは2023年 日本の大手総合商社5社ランキング (seven-clips.com)などもまとめているので、各業界のランキングも興味があればこちらもご覧ください。
SIについては、今後もDX推進やシステムのクラウド化、データ連携や最新技術の活用など、様々なニーズの中で今後も需要拡大が見込まれています。今後の新しい当たり前を作っていくSI業界に注目しましょう。
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